
私が初めてオーストラリアへ渡ったのは1999年。20代前半、ワーキングホリデーでの挑戦でした。
当時は今のようにネットやYouTubeで海外の情報を簡単に得られる時代ではなく、「海外に住む」ことはとても遠い世界でした。
旅レベルのブロークン英語しかできなかった私は、右も左もわからないまま飛び込みました。
「1年暮らせば英語がペラペラになるはず」――そんな淡い期待は、数ヶ月で打ち砕かれました。
現実は、簡単な会話すらままならず、このままではダメだと痛感。
もっと学びたいという思いから現地の大学に進学し、合計4年間、英語と格闘しながら生活しました。

卒業後は帰国して就職し、オーストラリア人のパートナーと日本で結婚・出産。
東京で安定した暮らしをしていた私が、再び移住を決意したのは2011年の東日本大震災がきっかけでした。
妊娠中だったことや、長男がまだ幼かったこともあり、放射能への不安が拭えず、
「もう一度、オーストラリアで暮らそう」と決断しました。
もう一つの理由は、子どもたちを“ハーフ”として日本で育てることへの迷いです。

日本では今もなお、“ハーフ”という言葉に特別な目が向けられがちです。
一方、オーストラリアでは「違うことが当たり前」。
人種や名前で判断されることがなく、多様性が日常に根づいています。
そんな環境で、子どもたちをのびのび育てたい。それが、私たち家族の再移住の決め手でした。
再移住後、まず経験したのがオーストラリアでの出産でした。
日本では妊婦健診のたびに体重を厳しくチェックされていましたが、
こちらでは「お腹に赤ちゃんがいるのだから増えて当然」という考え方。

体重管理よりも母体の安心を重視するスタイルに、文化の違いを強く感じました。
また、日本では「母乳が一番」「自然分娩が理想」という風潮がありましたが、
オーストラリアでは「母体に負担が少ない方法がベスト」。どちらを選んでも誰も批判しません。
そうした合理的で寛容な姿勢が、私にとってとても心地よく感じられました。
オーストラリアの大きな魅力のひとつは、「働き方に自由がある」という点です。
最低賃金は日本の約2倍以上で、女性管理職も珍しくありません。

ジェンダーギャップも比較的小さく、世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数(2025年)」では、
オーストラリアが13位、日本は148位という結果でした。
子育て中でも在宅勤務やフレックス制度を活用しやすく、
ライフステージに合わせて柔軟に働ける環境が整っています。
これは、女性である私にとっても、移住を決めた大きな理由のひとつでした。
制度だけでなく、「性別にかかわらず平等であるべき」という考え方が
多くの人の中に自然と根づいている文化があり、とても心地よく感じます。
日本で働いていた頃は、終電で帰ることも当たり前で、そんな働き方に特に違和感を持たずに過ごしていました。
でも当時から、オーストラリア人の夫は「そんなに働く必要あるの?」「それって普通なの?」と不思議がっていました。
日本が「Live to work(働くために生きる)」なら、オーストラリアは「Work to live(生活のために働く)」。

休むことはサボることではなく、生産性を高めるための投資。
「自分の時間も、他人の時間も大切にする」―そんな価値観が社会全体に根づいていると感じます。
私がオーストラリアで初めて働いたとき、たった5分残業していたら上司に
「なんでまだいるの?早く帰って」と言われたことがありました。
そのときは本当に驚きましたが、今振り返ると、日本でしていた長時間労働の多くは、
次の日に回せる仕事ばかりだったなと思います。
当時は気づけませんでしたが、無理をしない働き方は、心にも体にも優しいのだと実感しています。

もちろん、日本では個人の努力だけでは変えられない職場環境もあります。
それでも、もっと自分の時間や健康を大切にする社会に変わっていってほしいと願っています。
いくら業績を上げても、どれだけ高い給料をもらっても、「過労死」という言葉が
英語になってしまうような働き方では、何の意味もありません。
日本では、「みんな同じであること」に安心を感じる文化があります。
それは協調性という美しい側面もありますが、同時に「違いを受け入れにくい社会」にもつながっていると感じます。
私が日本で息苦しさを感じていたのは、
「〇〇であるべき」という暗黙のルールが多すぎることでした。

日本で育った私には、そのルールを理解することも、合わせることもできます。
でも内心では、「なんでこれが必要なんだろう?」「正直、面倒だな」と思うことも少なくありませんでした。
いわゆる「同調圧力」という目に見えない壁が大きくて生きづらい・・・
一度日本を離れて海外で暮らすと、そうした“見えないルール”の息苦しさに改めて気づかされます。
その点、オーストラリアはとても合理的です。
移民の国という背景もあり、価値観や文化の違いを前提に成り立っている社会だからです。
もちろん、異なる意見がぶつかる場面もあります。
でもその中で、「違いを前提に、話し合って折り合いをつけていく」という姿勢があり、
「みんな違って当たり前」という考え方が日常に根づいています。

そのおかげで私は、周囲に合わせることよりも、自分らしくいることを大切にできるようになりました。
意見を言いやすくなり、人との違いに寛容になれたのも、多文化社会で暮らしたからこそだと感じています。
日本には、まだ多様な生き方を受け入れる仕組みが十分に整っていない部分があります。
たとえば、二重国籍が認められないこと、夫婦別姓が法律上認められていないこと、
LGBTQ+や事実婚といった多様な家族の形への理解が進んでいないことなど。
こうした制度や価値観は、変化のスピードが早い現代社会の中で、
少しずつ見直される必要があるのかもしれません。

私が特に強く感じたのは、「ハーフ(国際結婚で生まれた子ども)」に対する社会の見方です。
日本では“ハーフ”という言葉がよく使われ、どこか特別な存在として扱われることがあります。
息子が日本で生まれた頃、初めて会う人から「ハーフですか?」とよく聞かれ、
そのたびに少し戸惑いを感じました。
子どもたちにとっては、「自分は普通じゃないのかな」と思わせてしまう一言かもしれません。
一方、オーストラリアでは「ハーフ」という言葉自体がほとんど使われません。
「どこの出身?」と尋ねられることはあっても、それは会話のきっかけにすぎません。
クラスにはインド系、中国系、ヨーロッパ系、アフリカ系など、さまざまなルーツを持つ子どもたちがいて、
それが“当たり前”の光景です。

誰もが違って当然という考えが社会に根づいているからこそ、
子どもたちも自然と自分のルーツを誇りに思えるのだと思います。

オーストラリアでは、同性婚が2017年に合法化され、夫婦別姓も個人の自由です。
国籍を複数持つ人も珍しくなく、肌の色や宗教、家族の形など、多様性が社会の中に自然に溶け込んでいます。
「他人と違っても大丈夫」「どんな生き方も尊重される」——そうした空気が社会全体に広がっており、
さまざまな背景を持つ人々にとって暮らしやすい環境が整っています。
日本では、二重国籍を持つ子どもが22歳までにどちらか一方を選ばなければならないという法律があります。

この制度は、それぞれの国にルーツを持つ子どもたちにとって、とても難しい選択を迫ることになります。
どちらか一方を“選ぶ”ということは、もう一方を“捨てる”ように感じることもあるからです。
また、自分の意思で外国籍を取得した時点で日本国籍を失うという法律もあります。
これも多くの場合、国を嫌ってではなく、家族や仕事、生活のための現実的な選択です。
海外で暮らす日本人の多くは、日本の良さを改めて実感し、強い愛着を持っています。
日本が今後どのように外国人や多様な価値観と共存していくかは、ますます重要になっていくと思います。
AIやテクノロジーが発展しても、人の力が必要な仕事はたくさんあります。
そのためにも、外国人を単なる“労働力”ではなく、社会の一員として迎え入れられる仕組みづくりが欠かせません。
ニュースなどで外国人に関するネガティブな話題が目立つこともありますが、
実際には多くの外国人が日本の社会の一員として、真面目に働き、税金を納め、地域に貢献しています。
「問題を起こす人」という偏った見方ではなく、共に暮らすための制度やサポートを整えていくことが大切だと感じます。

日本はとても魅力的な国です。真面目で、安心して暮らせる環境があり、文化的にも豊か。
ただ、他の国や価値観に触れる機会が少ないことで、「違い」に対して少し構えてしまう人が多いのかもしれません。
これからの時代は、違いを恐れるのではなく、違いの中にある“豊かさ”を見つけていくことが大切だと思います。
外国人や多様なルーツを持つ人々と協力し合いながら、誰もが安心して生きられる社会を作っていけたら、
ますます日本が素敵な国になると感じています。
オーストラリアの教育では、テストの点数よりも「自分の意見を持つこと」や
「クリティカルシンキング(批判的思考)」が重視されます。

つまり、問題をどう考え、どう解決するかという「考える力」が問われるのです。
先生たちも、一人ひとりに「あなたはどう思う?」と問いかけ、意見を尊重する姿勢が当たり前になっています。
一方、日本の教育はどちらかというと「正解を覚えること」に重きを置きがち。
しかし、オーストラリアでは「答えそのもの」よりも、答えに至るまでの過程や自分の考えを表現する力が評価されます。
この違いは、これからのAI時代において、さらに重要になると私は感じています。
言われたことを正確にこなすスキルよりも、変化に対応し、
自分の頭で考え、柔軟に行動する力――まさに今、そしてこれから必要とされるのは、そういった力です。
そして言うまでもなく、オーストラリアは英語圏。
子どもたちが英語を自然に身につけられる環境は、
これからの国際社会を生きる上で大きなアドバンテージになります。

また、オーストラリアの公立学校は、学区によって教育環境に大きな差があります。
人気の高い学校では、学区内に引っ越す家庭も多く、その地域の家賃が上がる傾向も。
学校ごとに学業だけでなく、スポーツや音楽など、力を入れている分野が異なるのも特徴です。
小学校ではそこまで差は感じませんが、中学・高校(ハイスクール)になると違いが顕著になります。
そのため、早めにリサーチをして、「どんな教育を子どもに受けさせたいか」を明確にしておくことがとても大切です。
もうひとつ、オーストラリア社会を語るうえで欠かせないのが、Egalitarianism(平等主義)という価値観です。
これは「誰もが対等で、職業や学歴に関係なく人として同じ価値を持つ」という考え方。

日本では、学歴や職業によって人を評価する傾向があります。
たとえば「ホワイトカラーは上」「高学歴は偉い」といった意識が、
無意識のうちに社会の中にあります。しかし、オーストラリアではそうした序列を表に出すこと自体がマナー違反であり、
あまりクールではないと思われている方が多いように感じます。
大学教授が清掃員に「Hi, John」とファーストネームで声をかけ、
上司が部下に「Thanks, mate」と気軽に感謝を伝える。
英語には日本語のように敬語がないというのも大きいと思います。
日本語は、目上の人の場合、敬語を使うため、それだけで上司、部下の関係が、はっきりしていますよね。

年齢や社会的立場にかかわらず、気が合う人なら友達になりやすいというのが、
オーストラリアの良いところだと感じます。
そしてこの“平等意識”は、サービスにも表れます。店員もお客も、「人として対等」。
お金を払う側が偉いわけでも、働く側が下でもありません。
お互いに気持ちよくやり取りをすることが、最も大切にされているのです。
オーストラリアに移住して最初に驚いたのは、やはり物価の高さでした。
家賃も外食も日本の倍近くすることが多く、スーパーで日用品を買うだけでもどんどんお金がなくなるという感覚でした。

しかも日本ではありえないくらい、ものによっては質が良くなかったりすぐに壊れてしまったりもしばしば。
でも、暮らしていくうちに「必要なものだけを買う」「セールをうまく活用する」など、
自然と生活の工夫が身についていきました。
それに気づいたのは、「お金をかけなくても楽しめること」がたくさんあるということ。
青い空の下でピクニックをしたり、夕方のビーチを散歩したり―そんなシンプルな時間が何よりの贅沢に
感じるようになりました。

日本に住んでいると、コンビニやスーパーのお総菜など便利なものがたくさんあるので、
そういうものについ頼っていましたが、オーストラリアでは子どもたちが小さい頃、
いつもサンドイッチやスナックをジップロックに入れて持って行っていたため、
日本にいた時よりも逆に節約できるようになりました。
日本のようにクオリティの高い、安くておいしいコンビニスイーツなどはありませんが、
その分ヘルシーな生活になったと感じます。
次に多くの人が苦労するのが、医療制度の違いです。
オーストラリアには「GP(General Practitioner)」というかかりつけ医制度があり、
肌の問題、目の問題、風邪など、どんな症状でもまずGPに行かなければなりません。

日本のように、いきなり専門医に行くことはできません。
GPに行って、紹介状をもらってからでないと専門医を受診できない仕組みなので、
診察までに数日かかることもあります。とはいえ、国民医療制度(Medicare/メディケア)によって
基本的な診察費がカバーされる点は大きなメリットです。
ただし、外国人ビザ保持者や永住権を持たない場合は、
このMedicareには加入できないため、自分でプライベートの医療保険に加入する必要があります。
オーストラリアに移住して最初に驚いたのは、サービスのスピードの遅さでした。
たとえば、インターネットや電気工事の予約をすると、「9時から16時の間に伺います」と言われることがよくあります。
その結果、一日中ずっと家で待つ羽目になることも。
しかも、指定した時間に来ないことも珍しくなく、最初の頃はその“ゆるさ”にイライラしていました。

でも、今ではすっかり慣れて、「まあ、そのうち来るだろう」と気長に待てるようになりました。
もちろん、日本のような時間厳守の文化や丁寧なサービスが恋しくなることもあります。
でも一方で、「オーストラリアでは、働く人が無理をしていないのかもしれない」と思うと、
少しおおらかな気持ちにもなれます。
また、スーパーなどでも驚くことがあります。対応の仕方は人によってバラバラで、商品を探していることを伝えても、
「ちょっと確認してきます」と言ったまま戻ってこないことも。日本では考えられないようなことが、日常的に起こります。
そのたびに、「日本の接客教育ってすごいな」と改めて感じます。

誰に聞いても同じ対応が返ってくる日本の徹底したサービス精神には、頭が下がる思いです。
オーストラリアで長く暮らして気づいたことがあります。それは、英語を母語としない人がとても多いということです。
この国は、多文化・多国籍の移民社会で成り立っており、話されている英語も人それぞれ。
アクセントも違えば、文法や発音も完璧とは限りません。でも、それが当たり前なのです。
多少間違った英語を話しても、誰も気にしません。
むしろ、そうした“完璧ではない英語”に、みんな慣れています。
私自身、最初のころはこう思い込んでいました。「ネイティブのように正しく話さなければ通じない」と。

しかし実際には、文法が多少間違っていても、単語を忘れてしまっても、“伝えようとする姿勢”があれば、
ちゃんと通じるのです。
一方、日本語は日本国内でしか使われず、学校教育でも“正確さ”が強く求められる言語です。
その影響で、日本人は英語を学ぶときも、
「間違ってはいけない」
「完璧に話さないと恥ずかしい」
と、過度に“正しさ”を求めてしまいがちです。完璧じゃなければ話してはいけない。
そんな思い込みが、英語を口にする勇気を奪ってしまうのです。

だから私は、50代以上の方へ英語をお教えする中で、いつもこうお伝えしています。
「正しい英語」よりも、「伝わる英語」をめざしましょう。
間違えてもいい。アクセントがあってもいい。そう思えるだけで、完璧主義から自由になり、
英語を使うのが楽しくなります。“伝わった”という小さな成功体験の積み重ねが、自信につながっていくのです。
オーストラリアに来て驚いたことのひとつが、お店の営業時間です。
日本では、カフェでも夜9時や10時まで開いているところが多く、仕事帰りにふらっと立ち寄ったり、
夜にひと息つきたい時にとても便利ですよね。

でもオーストラリアでは、まったく違います。カフェは朝5時半〜6時ごろから開店し、
なんと午後2時には閉まってしまうお店がほとんど。
最初の頃は、「えっ?カフェなのに午後2時で閉まるの?」と、本当に驚きました。
夜にひとりでコーヒーでも飲みに行きたいな…そんな気分になると、日本の便利さが恋しくなります。
でも、こちらでは人件費が高いため、午後は客足が減るカフェを長時間開けておくのは現実的ではないのかもしれません。
「早く開けて、早く閉める」スタイルが、こちらの生活リズムに合っているのだと思います。
既に述べたように、オーストラリアは多文化社会で、ノンネイティブの英語話者が非常に多い国です。
文法や発音が多少違っても気にされることは少なく、「通じればOK」という雰囲気もあります。
とはいえ、この国で使われている言語は、やはり英語です。スマホの翻訳アプリなどがある今の時代、
ある程度はそれで乗り切れるかもしれません。でも、英語力がまったくない状態では、社会から孤立してしまい、
多くのチャンスを逃してしまうのも事実です。
私がこれから移住を考えている方に、いつもお伝えしているのはこの言葉です。
「まずは最低限の英語力を、日本で身につけてから来てください」

たとえば、簡単な意思疎通ができない状態で移住してしまうと、現地での生活自体が大きなストレスになります。
そこから英語を学び始めるのは非効率で、時間もお金も余計にかかってしまうからです。
そして何より、英語が話せないことで社会から切り離されたような感覚になり、
その国の本当の魅力に触れる前に、海外生活そのものが嫌になってしまうこともあります。
でも安心してください。ネイティブと日常的に話す環境がない日本でも、
移住に必要な“基礎の英語力”は十分身につけられます。
実際に、私の生徒さんたちの多くは、英語ゼロの状態からスタートしました。
最初は、飛行機の中で飲み物すらうまく注文できなかった方も、
半年〜1年で基本的な英語を身につけ、今では一人で海外旅行を楽しんでいる方もたくさんいます。
ですので、もし今「自分には無理」と思っていたとしても、心配する必要はありません。
目指すのは“完璧な英語”ではなく、“伝わる英語”です。
英語が話せることは、ただの言語スキル以上に、現地での自由や安心感、
チャンスを広げる大きな武器になります。これから移住を考える方は、
ぜひ「話せる基礎」を整えてから出発してくださいね。
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移住には、ビザ申請費用、航空券、住まい探し、車の購入など、さまざまな初期費用がかかります。
正直なところ、どれくらいかかるかは条件や地域によって大きく異なりますが、
日本の感覚よりも2倍、3倍と高い場面が多いことは覚悟しておいた方が良いかもしれません。

特に今、オーストラリアでは住居問題が深刻化しているため、賃貸もかなり高騰しているのが現状です。ま
た、外食も非常に高いです。日本人は食へのこだわりが強い方が多いですが、
こちらでは「この値段でこの味?」と感じてしまうことも少なくありません。
コンビニやスーパーのお惣菜を気軽に買えるような場所も少ないため、
外食やお惣菜に頼る生活をしていた方は、自炊を始める良いきっかけになるかもしれません。

特にオーストラリアでは、公共交通機関があまり発達していない地域も多く、日常生活には車が必須です。
そのため、移住後すぐに車を購入することを前提に、あらかじめ予算に入れておくと安心です。
また、家を借りる際には「ボンド」と呼ばれる保証金(家賃2〜4週間分)を前払いするのが一般的なので、
住まいが決まるまでの滞在費+家賃の前払いを想定して、ある程度の生活費に余裕をもたせることが大切です。
さらに、日本のように「どこでも何でもすぐに手に入る」「対応が丁寧」というサービスレベルが当たり前ではありません。
そのギャップに最初は驚くかもしれませんが、“不便さを楽しむ”くらいの心構えがあると気持ちが楽になります。
そして何より大切なのが、「心の準備」です。
移住直後は、思い通りにいかないことや、文化の違いに戸惑うこともたくさんあります。

でも、そんなときこそ、
「これも全部、経験値になる」
「この不便さも含めて、新しい人生を始めているんだ」
そんな風に前向きに受け止められる力が、自分を強くしてくれます。
オーストラリア移住には、夢のような面もあれば、現実的な苦労もあります。でも、ひとつだけ確実に言えるのは――
「移住が合うかどうかは、あなたにしかわからない」ということ。
どれだけネットで情報を集めても、ChatGPTで相談しても、実際に住んでみないとわからない“空気感”があります。
しかもそれは、人によって感じ方がまったく違うのです。
だからこそ、「住んでみたい」と思ったら、まずは短期でもいいので、実際に来てみることをおすすめします。
もしかしたら、住んでみて「やっぱり日本がいい」と思うかもしれません。
でも、その体験こそが、あなたにとっての“本当の答え”を教えてくれるはずです。
正直に言うと、オーストラリア移住は決して簡単ではありません。
言葉の壁、物価の高さ、文化の違い……どれもすぐには乗り越えられないものばかりです。
でも、もしあなたが今、かつての私のように、
「日本の生活にどこか息苦しさを感じている」
「もっと自由に生きてみたい」
と感じているなら、オーストラリア移住はその一歩になるかもしれません。
私が14年ここで暮らして実感しているのは、「どこに住んでも完璧な国はない」ということです。
最初の頃は、足りないところばかりに目がいって、日本と比べては「ここが不便」「あれがダメ」と文句ばかり言っていました。でも、長く暮らすうちに自然と「比べない」ようになりました。
どちらが良い・悪いではなく、文化や価値観の違いを受け入れられるようになったのだと思います。
日本には日本の良さがあり、オーストラリアにはオーストラリアの魅力があります。

いろいろな価値観や考え方に触れていくうちに、日本にいるだけではきっと気づけなかったことが見えてきました。
違う視点で物事を見られるようにもなりました。
かつての私は、
「もっと頑張らなきゃ」
「周りに遅れたくない」
といつも焦ってばかりいました。
でも今では、
「まあ、そんなに頑張らなくてもいいか」
「また明日でいいや」
と、少し肩の力を抜いて考えられるようになりました。

それは、オーストラリアという国の“おおらかさ”が教えてくれたことです。
そして最後に、私がいちばん大切だと思うのは、
「どの国が何を与えてくれるか」ではなく、
「その国で、どう自分が幸せに暮らしていくか」を選び取ること。
移住はゴールではなく、
「自分らしい生き方を選ぶ」ための手段のひとつなのだと思います。
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