1)英会話学習に「暗記」は本当に必要なのか?
英会話初心者にとって、暗記が重要かどうかを考えるとき、
注意すべきことがあります。
それは「暗記そのものに頼りすぎない」ということです。
例えば、多くの初心者は英単語やフレーズを
覚えることに注力します。

確かに、暗記は短期的には便利で、
手っ取り早く使える表現が増えるように
感じられるかもしれません。
しかし、英語の文法や語順を理解しないまま
フレーズだけを暗記してしまうと、
実際の会話でそれをどう使うべきかが
分からず、結果として忘れてしまうことが多いのです。

たとえるなら、学生時代にテストのためだけに
覚えた知識が、テストが終わると
忘れ去られるのと同じようなものです。
重要なのは、暗記を実践的な学習と結びつけること。
暗記そのものが目的ではなく、
実際に使える表現を増やす手段として捉える必要があります。
2)どんなときに暗記をすべきなのか?
暗記が有効になるのは、
基本的な文法や語順が理解できた段階です。
この段階では、暗記したフレーズが
会話の中でスムーズに使えるようになります。
たとえば、
「What’s your job like?(あなたの仕事はどんな感じですか?)」
という表現を考えてみましょう。
このフレーズを丸ごと暗記するだけではなく、
「What’s ~ like?(~はどんな感じですか?)」
という構文を理解しておくことで、
他の状況にも応用できます。たとえば:
What’s your country like?(あなたの国はどんな感じですか?)
What’s your mother like?(あなたのお母さんはどんな感じですか?)
このように、構文を理解した上で暗記を進めることで、
単なる記憶ではなく、実際に使える知識に変えることができます。
3)効果的な暗記の進め方
暗記を効果的に行うためには、いくつかのコツがあります。
① 声に出して練習する
暗記したい表現は、何度も口に出して
練習することが重要です。
英語を話す機会が少ない場合でも、
独り言やシャドーイングを活用することで、
口の筋肉を鍛え、自然に表現が出てくるようになります。
② 実際のシチュエーションを想定する
単にフレーズを覚えるだけでなく、
「この表現をどんな場面で使うのか」
をイメージすることが大切です。
たとえば、「I’m looking forward to ~(~を楽しみにしています)」
というフレーズを覚えたい場合、以下のような具体例を考えます:
I’m looking forward to the weekend.(週末を楽しみにしています。)
I’m looking forward to my next trip.(次の旅行を楽しみにしています。)
実際の予定がなくても構いません。
架空のシチュエーションを作り、
そこに当てはめて練習するだけでも記憶に定着しやすくなります。
③ 少量を繰り返す
1日に多くのフレーズを暗記しようとすると、
かえって記憶が曖昧になり、
実際には使えなくなることがあります。
初心者の場合、1日3つ程度の表現を選び、
それを徹底的に使いこなせるレベルまで練習するのがおすすめです。
④ 質問をする練習を取り入れる
会話はキャッチボールです。質問に答えるだけでなく、
自分から質問を投げかける練習も大切です。
たとえば、「What’s your favorite food?(好きな食べ物は何ですか?)」
という質問を覚えたら、自分も他の人に同じ質問をしてみる練習をします。
暗記を超えて、実践的な会話力を目指す
英語を「知っている」レベルから
「使える」レベルに引き上げるためには、
暗記だけでなく、それを実際に使いこなす
練習が必要です。
その過程では、思った以上に時間と
努力がかかることもありますが、
それを繰り返すことで英語を話す楽しさを
実感できるようになります。